古来,わが国では学習の基本は「読み・書き・そろばん」であるといわれてきました。私たちは日本語で考え,日本語で意思疎通しています。その日本語の力を育てる「国語」の重要性が,近年ないがしろにされているように感じます。
たしかに,国語は他の教科に比べると「どのように勉強すればいいのか」がわかりにくく,あと回しになりがちな教科です。一方で,国語の点数を上げる事ができれば,他の受験生に大きく差を付けることもでき,高校入試本番においては大きな武器となります。さらに,国語を学習することで,読解力や論理的思考力が身につきます。すると,国語の点数アップのみならず,各教科の問題文を正確に把握することができるようになったり,英語の和訳や英作文などを正確に表現できるようになったりするため,国語以外の教科の成績アップにも繋がります。
5教科の総合点で勝負する公立高校入試においては,国語こそ勉強すべき教科と言っても過言ではありません。「数学の文章題ができない」や「社会のテストで読み違えて違う答えを書いてしまう」などと言った悩みの奥には,国語力の不足が考えられます。国語力つまり読解力さえつけば,国語だけではなく理科や社会はもちろん,算数・数学の文章題もすらすら解けることも期待できます。
子どもたちの国語の成績を向上させるために,当塾ではすべての教科指導において「自律学習法」を実践しています。一斉集団指導では,生徒の「自分だけに教えてほしい」という思いや,保護者の「ウチの子だけに……」という最も今日的な欲求や要望には応え切れません。また個別指導では,「自分だけに」「ウチの子だけに」という要望には一見応えられるように見えますが,実は深刻で重大な問題が潜んでいます。それは「教え過ぎの弊害」です。
多くの塾で個別指導を担当する講師は,主に現役の大学生です。彼ら彼女らには「教科の内容を教えて時給をもらう」という意識が強く働くため,授業では生徒によく分かるようにと一生懸命解説をし,解答を教えます。講師が熱心に教えれば教えるほど生徒の思考は停止し,自分で考えようとしなくなります。そして多くの場合,全て与えられることを待つという「受身の生徒」を作り出すことになるのです。これが個別指導の“教え過ぎの弊害”です。当塾では,「自ら学習に取り組む」ということをさせるため,「教え過ぎの弊害」など起こりようがありません。
この「自律学習」には一斉集団指導や個別指導にはない「絶対的な強み」 があります。それは,生徒一人ひとりの個性を受け入れながら学力を確実に伸ばすことができるということです。一斉指導では,いわば先生が主役になりますが,「自律学習」では生徒を受身一方ではなく「自ら学習に取り組む学習」へ転換させるのです。生徒に「自律学習」をさせることで,学習への取り組み方,意欲,そして学習効果が全然違ってきます。また,「自律学習」には他の指導形態とは違った作用と効果があります。それは生徒が学習の場において「自ら計画し,実行し,問題解決をしていく」ことで「生徒の自立心を養い,自立した人格を備えた人を育てる」ということです。生徒に主体性をもたせて,生徒を主役にできるということが「自律学習」の強みです。
自律学習は自習とは違います。受け身になって「与えられる」のを待つ学習から,能動的に「自ら学ぶ」学習へ、取り組み方を変化させます。自律学習法の根本となるのは,生徒が「できるようになる」喜びを知り,自分からどんどん進んで勉強し,「おもしろい」「もっとやりたい」という自発的な姿勢に変化させることです。自分からすすんで勉強ができるようになれば,成績は自然と上がるし,進学後の勉強でも困ることはありません。さらには将来,社会に出た時も自分自身で物事を正しく捉え,考え行動できるようになります。子どもたちは,自律学習法を通じて,生涯を通じて役に立つ学習スタイルを身につけるのです。